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【新世界物語。】今日も誰かの拠りどころー大阪のシンボル「通天閣」ー


キャンバスに殴り描いたような突き抜ける青空を意識がうとうととするなか、
揺れる制服を纏いながらぼーっと眺めていた昼下がりの教室。

大の字でこの世界の王になったかのような感覚を持ちながら
寝返りをうつたびにチラつくその建物に元気をもらっているのは私の密かな秘密だ。

「今日は晴れだからね。存分に自由をかみしめて。」

何も言わないけれど。ぶっきらぼうに時と場合で表情を変える君に、
いつも私はふふっと微笑みをもらす。

でもいつから、何のために、君がいたのか。
こんなにも身近にいたのに知らない私はどうしてももっと君のことが知りたくなって
居ても立っても居られなくなった。

わかったことは君が生まれ変わってたってこと。

最初は1912年に開催された内国勧業博覧会の跡地に
「天に通じる高い建物」と言う意味合いでこの世に生まれ落ちてくれた。

完成当初からもずっとみんなに愛されてたのに、
1F部分の映画館の全焼や大阪大空襲による悲劇に見舞われて
一度は私たちのそばから離れてしまったんだね。

でも、やっぱり帰ってきてほしいみんなの気持ちは一致していた。

「このまちに、あの子を、もう一度。」

いつもずっと誰かの側にいたからこそ当たり前になっていた。

どんなときでもあたたかく無口で出迎えてくれていた。

君がいないと、この街らしくないよ。

無意的に街のシンボルとなっていたからこそ、
街の人々の心を動かし、さらに大きくなって
私たちの当たり前だった幸せは帰ってきた。

君がきたばかりの当時は東洋一とも呼ばれるルックスと高さがあったみたいだけど、
今はもう国内でも敵わない相手がいっぱいいるみたいだね。

でも、いいんだ。そうじゃないんだ。

休憩がてら煙をくゆらしながらふと窓を覗きんだときに、
少しお昼からハメを外しすぎてくらりとした空を仰いだときに、
疲れ切った1日の終わりにカーテンがふわりと舞ったときに、
この世界に何の希望も見出せなくて拭いても止まらない涙で滲んだ視界を感じたときに、

「大丈夫。君たちはみんな世界から愛されてるから生きてるんだ。」

語り尽くせないほどの歴史を背負った君がいる。
それだけで私たちは、強くなれるんだから。

「あ、昼休み、終わっちゃったな。」

蒼く透き通っていたはずの空がいつの間にか芸術的な立体感を醸し出す
入道雲で覆われ始めていた。

それでも臆することなく、揺るぎなく立ち尽くす君の堂々とした
立ち振る舞いに勇気をもらい、今という時を全力でまた私は走り出す。

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